2019年7月15日月曜日

来る圧に対応する

前回オレンジの中にピンポイントの支点を持ち、それをキープするということを書きましたが、実はキープするというのは、その時々のベストな位置を保つということなのですね。

以前にも書きましたが、ハイシーズンの雪と春雪とでは受ける抵抗に大きな差があります。抵抗の大きい中で滑ると、ターン中オレンジは、よりかかと寄りに移動します。

あくまでイメージですので、実際の足裏のオレンジの位置は、各々感じ取ってくださいね。

ここで大切なことなんですが、前面から来る圧を受けているのは全身ですので、上半身が後ろに持っていかれるような力が働きます。そうすると、ただ何気なく立っているだけだと、バランスが後ろになりすぎて、スキーのコントロールが難しくなります。いわゆる「後傾」という状態ですね。

そのため、スピードが上がってきて前面から来る圧も高まってくる時には、上半身もそれに備えてしっかりとした構えを取っておき、前後のバランスを崩さないように意識しておかないといけません。

オレンジの位置をキープするためには、ただ足元だけではなく全身でバランスを取るということを意識していただくと、ターン中に不安定になるというような感覚が改善されると思いますので、やってみてください。

2019年7月1日月曜日

オレンジの中にさらにピンポイントの支点

前回、足裏にオレンジを意識することにより、支点が定まり滑りが安定するというお話をしました。これに慣れてくると、さらにピンポイントに支点を維持できるようになります。

オレンジによって圧変化を感じようとするためには、ある程度の大きさのオレンジを意識する必要がありますね。ただし、支点としてはもっとピンポイント、あくまでイメージですが私自身は±1mmくらいに保つつもりで滑っています。

前回と同じ絵ですが、オレンジの真中にさらに黒い支点を書いておきました。


この絵を見てもらうとわかると思いますが、これだけ支点がピンポイントになると、ちょっとしたことが支点を崩す要因になります。

直滑降しているポジションでは良くても、上下動の中で頭が前後に動いてしまう、お尻が下がってしまう、腕が下がってしまう、あるいは片方の腕だけが後ろに引けてしまう等々です。

フィーリングスキーではフォームはそれほど大事で無いように思うのですが、支点をキープするという点では、滑走フォームが理にかなったものになっているというのは重要です。

これは自分で滑っているとなかなかわかりにくいことなので、もし、滑っていて支点が不安定になっていて、自分で試行錯誤してもどうもうまくいかない、ということがありましたらレッスンに入ってみてください。滑りを見ないとできないアドバイスというのが少なからずありますので。

2019年6月21日金曜日

スキーの基本はバランス

まず、前回のブログの補足ですが、あくまでトレーン滑走を通して学べることについて書きましたので、何でも形だけ真似るというのはちょっと違います。

トレーンする時は、斜度や雪質、スピードも一緒で滑ることに意味があります。違う条件で人の真似をしても本質的なことが理解できないと思いますので、ご注意ください。

さて、昔、グッギーこと故マルティン・グガニックがビデオの中で「スキーの上達の秘訣はバランス」と言っていましたが、急斜面が滑れない、整地は滑れるけど不整地は滑れない、大回りでは滑れるけど小回りはできない、などは前後のバランスが崩れていることが原因になっている場合があります。

そこで「オレンジターン」のお話ですが、オレンジを足裏に意識するメリットとして、支点が定まるということです。



 初心者に見られる、真っすぐ滑っていてもスキーがふらつくという現象は、足裏の土踏まず付近にオレンジを意識してその位置をキープするようにすると、すぐに解消されます。

これを読んでいるみなさんは、ここはクリアしているでしょうから、次の段階で意識しないといけないことは、「体のバランスとオレンジの意識を一致させる」ということなんです。

実はオレンジを足裏に意識するだけだと、体が前傾し過ぎたり、後傾していてもオレンジの位置は同じところにあるつもりになってしまいがちです。実際のバランスとオレンジの意識のズレが生じているということなんですね。

そこでやってみていただきたいのが、意識的にオレンジの位置を前後に変えて滑るということです。低速でオレンジの位置を前にしたらしっぱなしで滑る、後ろにしたらしっぱなしで滑る、ということをしながら、少しずつずらして滑ってみます。

ターンもしながらということになりますから、左右の位置も変えて滑ってみます。キョロキョロと変わり続けるのではなく、ちょっと前で内側で数ターンしたら、前後は変えずに左右の真中にしてみるみたいな感じですね。

こういうことにより、オレンジの位置で正しくバランスを感じ取れるようになりますので、一番自分が安定する位置を探してオレンジをキープするようにしてみてください。

これに関連して他にも注意することがあるのですが、長くなるのでまたこの次に。

2019年6月13日木曜日

良い手本を見て真似る

みなさん、こんにちは望月です。

シーズンオフなので実践的な練習の話をしても滑れませんので、知っておいたらみなさんの役に立つような話題はいかかでしょうか?もし、質問とか取り上げて欲しいテーマ等がありましたら次のメールアドレスまでお願いします。syrius@fs.jpski.com

今日は良い手本を見て真似るということについてです。

スキーの指導をするときに相手が大人なのか、子供なのかによって差が大きいと言われていることがあります。

もちろん例外はあるでしょうが、かんたんに言うと、
  • 大人は理論を知らないと上達が難しい
  • 子供は理論よりは良い手本を見せた方が良い
野麦峠スキー場での私の経験をお話しすると、

例1.前日にバンビゲレンデでターンができるようになった男の子(小学校低学年)
前日もフィーリングスキースクールで1時間半のフレームレッスンを受講しプルークでターンができるようになりました。

翌日、私とトレーンをしながらバンビ、ファミリーゲレンデを滑り、1時間半でトレーニングバーン(最大斜度24度くらい)をターンして滑って降りられるようになりました。

例2.3人同時レッスンを受講した中の女の子(小学校高学年)
いとこ同士の3人の内、一番小さい子があまり滑れないのでその子を中心のレッスン。後の2人は課題を与えながら、一緒に滑るという形。最年長の子は何も教えていないのにスキーが揃って、お母さんから「スキーを揃えて滑れるようになったね」と喜ばれていました。

例3.お父さんと子供2人のレッスン(下の男の子小学校低学年)
フレームレッスンで一時間半の中で普通にフィーリングスキーのレッスンを行いましたが、レッスン中にパラレルターンは教えなかったのに、パラレルターンで滑れるように。お父さんからは感謝されましたが、心の中では「私、何もしていないのにいいのかな?」という感じ。

私が子供のレッスンをする時に注意していることは、
  • 生徒さんがプルークで滑れている場合には、最初はプルークで滑りながら教えますが、基本ができた後は、私自身はパラレルで滑る。
  • トレーンでなるべく私の滑った後をなぞって滑ってもらう。
  • レッスン中はできる限りたくさん滑るようにする。

 あまり気になることがあれば言いますが、基本はこんな感じです。子どもは人のまねをするのが上手いので、私がしっかりとスピードコントロールをして滑れば、子どももスピードコントロールができるようになってしまいます。

大人の場合は、どうやったらできるかを説明してからレッスンをしていくのですが、ある程度のことができるようになったら、やはりトレーンで滑ってもらうこともあります。

大回りでも小回りでも、人のリズムやターン弧に合わせながら滑るというのは良い練習になります。前走者を見て真似してもらうと、ついて行くのに必死で余計なことを見たり考えたりしません。そこが良いんですね。

私の場合も内緒ですが、じぶんの苦手なところなど教師仲間についてコッソリ盗んでいることがあります。変に教わるよりも滑りを見て真似るって方がうまくいく場合も多いんで(笑)。

ただし、大事なポイントで勘違いがあって真似をすると逆効果になってしまいますので、大人は理屈も少しずつ勉強くださいね。

では、皆さまからのご連絡お待ちしております。メール→syrius@fs.jpski.com

2019年6月1日土曜日

やっぱり最後は・・・

みなさん、こんにちは。望月です。

先週5月25日に、今シーズン最後のバックカントリーで乗鞍岳に行ってきました。
ちょうどこの日から「肩の小屋口」という、大雪渓のすぐ下までバスが運行するようになり、乗鞍岳最高峰の剣ヶ峰にも到達しやすくなりました。
というわけで、こんなにたくさんの人達がバスを降りて剣ヶ峰に向かってスタートして行きました。

乗鞍岳大雪渓全体はこんな感じ。



頂上まで登ると、こんな景色が待っています。
蚕玉岳(こだまだけ)山頂。穂高連峰を望む

剣ヶ峰山頂。向こうは御嶽山
頂上まで登ったら、こんな斜面を滑ります。
写真だと斜度感がわからないと思いますが、40度弱ぐらいの斜面ですので、滑り始めは慎重に降りていきます。

この日の雪質は滑走性のあるザラメですが、やはり雪は重い。真冬の雪のように軽々とはターンできません。

この時期は山に登るのが好きでバックカントリーに来る人が多いのか、真冬のパウダー狙いの人たちに比べるとスキーはそれほど上手ではない人たちが多かったようです。

そのため、斜滑降で斜面の端まで行って、スキーを回して方向を変え、また斜面の端までというスタイルの人が多くいました。スキーを回すのにも苦労があり、この斜度でフォールライン方向を向くのが怖いようで、内倒して無理やりスキーの向きを変えてという人もいました。

で、このなかなかの難斜面、私はやっぱりオレンジと引くターンでした。足裏のオレンジをきちんとキープして、ターンの始動は外足にオレンジを移してから内足を引く、という感じ。

スキーがきちんと回ってくれるということがわかっていると、フォールラインを向くのも少し余裕が出てきます。斜面も雪質も違うとは言え、今年乗鞍を滑るのが三回目で慣れてきたというのもあると思いますが。

出来れば他の滑っている人たちにもフィーリングスキー教えてあげたかった。バックカントリーこそフィーリングスキーの優位さを感じた1日でした。

2019年5月12日日曜日

乗鞍岳BC

皆さん、こんにちは!

オッキーです!

前回のブログで望月が乗鞍BCについて書いていましたが
今回も引き続き乗鞍BCの話題をお届けします。

私の乗鞍BC歴は20年以上ですが
その半数以上が主要なスキー場のGW営業が
終ったあとの次の週です。

その間、経験や道具類も手に入れ
ここ5年くらいでスキー場が営業している期間でも
登って滑るようになりました。

しかし、通常にスキーを楽しまれている方から
するとまだスキー場が営業している期間にも関わらず
登ってまで滑るというのはなかなか
理解しにくい点があると思います。

今回は、その理解しにくい点を
私がどうやって超えてきたのかを紹介させてもらいます。

まず一番はお手軽に海外スキーの雰囲気が
体験できるということです。

海外スキーというと皆さんどんなイメージを持ちますか?

林など視界を遮るもがなく広大な景色の中で
滑っている風景を想像される方が多いのではないでしょうか?

それに比べて日本のスキー場はほぼすべてが
森林限界以下にあります。

ということはリフトに乗って滑るところは林や森などがなく
地形そのものを滑れる場所はほぼないということになります。
注)豪雪地域で林すら埋まってしまうところがあります。

かといって海外スキーに行くとなると
お金とお休みが必要になります。

この二点が多くの方にハードルとなるかと思います。

しかし、BCスキーであれば1日で
海外スキーのような地形を滑ることができます!

海外スキーのような風景だと思いませんか?

そして2番目は道具の進化です。

私が初めて乗鞍に登って滑った時は
登山靴をはいてすべての道具を背負って登りました。

今思うと若かくて体力があったからできたのだと思います。
あの装備で今のように楽しみながら
登れるかと考えるとかなり疑問に思います。

今はBCブームということもあり
多くの道具類が販売されています。

そのおかげでBCスキーのハードルが非常に低くなってきています。

ちなみに私もスキーシール、TLTビィンディングと
専用ブーツを利用しています。


この道具類のおかげもあり
今回のBCスキーは乗鞍スキー場の
三本滝レストハウスから登りを開始し

標高差1200mほどある頂上まで
約4時間30分で到着しました!


今回は天気がよかっこともあり
道中の景色も楽しみながら登れました!(^^)v




そして最後の三つめはゲレンデでは体験できない
雪質を楽しめるということです。

今回も頂上付近から滑り出すときは前日のシュプールが
まったくずれ幅の無いもので
かなり難しいコンディションかと想像されました。


しかし滑り出してみると前日とは条件が
変わっているようで斜面に刻まれているシュプールのような
全くずれないような雪ではなく
しっかりとスキーに乗ればちゃんとズレてくれ
非常に快適な滑走を楽しめることができました!(^o^)丿
3000m付近からの斜面


2800m付近からの私のシュプール(^^)v

どちらもかなり快適でした!

標高2500m付近から下はストップスノーの
比率が増えだし快適といえない状況になりましたが

天候、気温、日のさし方などで雪質が変わる中で
そのコンディションを楽しめた時の
爽快感はゲレンデで感じるものより
何倍も高いものです!

また斜面も30度を超えるような
急斜面もあり
ゲレンデでは体験できない滑走を
楽しめる点も大きな魅力の一つです。

この写真の右側斜面は30度以上&
途中からストップスノーとなり
かなりスリリングな滑走となりましたが…(;^_^A

これら3点が私をBCスキーに導いてくれた大きな要素です。

シーズン中も少なくない方からBCスキーに
興味があるとのお話をお聞きしました。

やってみたいけど、どうすればよいのかな?
どうすれば楽しめるのかな?
という方はこれらの点を意識して
準備、トライしてみてはどうでしょうか?

興味や質問がある方は遠慮なくお問い合わせください!




by オッキー

2019年5月2日木曜日

スキーの総合力が上がる

みなさん、こんにちは。望月です。
今シーズン二回目の乗鞍岳でのバックカントリーに行ってきました。
松本市内は晴れ予報だったんですが、そこは山の天気。8時半のバスに乗る頃には雪が降り出す荒れた天気で、雪が収まったと思ったら、時々吹く強風にあおられたりしましたが、徐々に天候も回復し、摩利支天岳に登り、富士見岳へ移動して一本目はそこからドロップイン。登り返してツアーコースに向かい、無事に滑って帰って来られました。

さて、今日のタイトルですが、ゲレンデと違い自然のままの雪を滑るのがバックカントリーです。ゲレンデなら雪が悪そうだから、ここは滑らないとかの選択ができますが、バックカントリーの場合は、最善のコースの選択はしますが、基本的に目の前の斜面は滑らないと帰れませんので、スキーの総合力が問われます。

今日は最初にドロップインした場所はカリカリのアイスバーンの上にところどころ新雪が乗っている状況。整地されたゲレンデなら多少硬くてもこんな風に滑れるだろうなという予想がつきますが、バックカントリーでは滑ってみないとわからないので、最初は慎重に雪の状態を見ながらスタートしてその雪に合ったターンをしていきます。

偉そうなことを書いてますが、今日は最初は横滑りとプルークスタンスを使って滑っており、端から見たらあんまりカッコ良くは無かったでしょうね。

徐々に引くターンや普段滑っているフィーリングなどを試しながら滑って行くのですが、その間にも雪はどんどん変わります。きつめのクラストだったり沈む雪だったり、ザラメが出てきたり。そのたび調整、調整で滑ります。

そうこうしている内に、ツアーコースに戻ってきても、ここは登山者も通るのででこぼこしてるし雪も重いとなって足も疲れてきてるし、けっこう気を使います。

でも、最初は格好なんか二の次で滑って降りられれば上等くらいの気持ちで降りて来るのですが、いろいろな雪で揉まれると普段やってるフィーリングスキーが応用できる事も多く、滑り終わった後に多少の自信も感じることができました。スキーの総合力を鍛えるのには、なかなか良い機会ですよ。

バックカントリーを始めるには、用具もいろいろと必要で、少しハードルが高いですが、乗鞍にはスキーだけあれば、ビーコン、ゾンデ、スコップと言った必須用具や新雪用のバスケットが着いたストックや、ザックにスノーシューなど全部レンタルできる入門コースツアーもありますので、一回試しにやってみたいという方は、スクールに来られたときにご相談ください。